IFAと証券会社のそれぞれの特徴とは?
IFAとは、特定の金融機関に所属せず独立した中立の立場で顧客に対して投資のアドバイスや金融商品を販売するスペシャリストのことを指します。
IFAの特徴
- ・自社運用商品販売のしがらみがなく、顧客との利益相反が生じないこと
- ・金融機関のようなノルマに基づく営業がないこと
- ・会社都合の転勤はなく、顧客と長期にわたる接点継続が可能なこと
自社運用商品販売のしがらみがなく、顧客との利益相反が生じない
IFAは個人投資家を中心とした考え方で、その投資家の資産運用に強く立場をとります。
証券会社とは違い企業や政府の資金を調達する役割がないため、販売する商品に縛りがなく目の前の投資家のためだけに提案することが可能です。
金融機関のようなノルマに基づく営業がない
前述のように“販売しなければいけない”という金融商品がなくノルマというものは存在しません、お願い営業や顧客に無理やり買ってもらうといった文化がないと言えます。
会社都合の転勤はなく、顧客と長期にわたる接点継続が可能
証券会社に限らず金融業界全体の話ですが、顧客との癒着問題など過去に様々な事件が発生してきました。
そういった不正防止の対策として、またキャリアアップの一環として3~5年の短い期間で転勤を行っています。
一方のIFAは、中立な立場からアドバイスをする業務であり担当する顧客、またその家族と長期に渡って計画的に資産を形成していくことを目標としているため「かかりつけの金融アドバイザー」として係ることが可能です。
証券会社の特徴
- ・企業や政府の資金調達ニーズに応える
- ・投資家の資金運用ニーズに応える
資金調達の面では、株式や債券などの有価証券の発行や証券化した商品を組成することなどを通じて、企業の設備投資や研究開発費、国や地方公共団体などの事業資金の調達のニーズに対してアドバイスや資金調達を実行するサポートまで行っています。
資金運用の面ではIFA同様、個人や企業に対して運用に関するアドバイスや金融商品を提供します。
このように証券会社は日本経済に円滑なお金の流れを作りだし、社会が発展するための重要な役割を担っていると言えますが、資金調達のニーズと資産運用のニーズを結びつけるという点にジレンマが発生してしまうこともあります。
社会的課題の解決のためと銘打って投資家から資金を集めた結果、すべてが社会の発展に繋がればwin-win-winの関係となりますが、そうでなかった場合は証券会社のみがwinとなるため、本当の意味で社会全体へ貢献できる仕事が求められます。
IFAは年々増加している
日本におけるIFAの人数は増加傾向にあり、2018年12月時点で約3800名となっています。日本より歴史が深い米国においては、IFAの人数は約12.7万人となっており、個人向けの資産運用などの金融サービス提供においては主力の形態となっています。
そんな米国における大手証券とIFAの顧客資産の構成比率について比較すると、大手証券は2016年:36%→2022年:31%と低下する一方、IFAは2016年:36%→2022年:43%とシェア拡大が予測されています。
大手証券のシェア低下の理由についてリーマンショック後、個人の資産運用業務は収益性の見込める富裕層へフォーカスを強めるようになり、小口顧客との対面取引を縮小方向としてことが挙げられます。
一方の利用者サイドからすると、個人が金融サービスを選択する上では、伝統的な金融機関のブランドに必ずしもこだわらず実質的に良いサービスが受けられると考えられる先との取引を志向するようになったことも要因の一つです。
今後さらにシェアの拡大が予想されるIFAは、一人一人の顧客に寄り添い、かかりつけのアドバイザーとして世代を超えたお付き合いをさせていただくことを目指しています。